provin
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Standards

規制・標準への対応

provin の設計が各規制・標準の方向性とどう整合しているか
その構造的根拠について

※ 認証取得を主張するものではなく、各枠組みが要求する性質を実装の前提として設計しています。

regulation

EU AI Act

整合

Article 50(透明性)2026-08-02。高リスク義務は Digital Omnibus(2026-07 発効)で Annex III 2027-12-02 / Annex I 組込み 2028-08-02 へ延期

eur-lex.europa.eu/eli/reg/2024/1689/oj ↗

高リスク AI システムに対し、学習・検証・テストデータの出処と品質評価の文書化を要求します。 Article 10 が課すのは実質的に、「いつ・どのパイプラインで・どのデータに・どの基準が適用されたか」を タイムスタンプ付きで自動的に証明できる体制であり、自己申告型ガバナンスでは満たし得ない evidentiary obligation を生んでいます。

provin は VC 署名チェーンを各パイプライン境界で生成・継承するため、 この obligation を構造として満たす基盤になります。

How to adapt

ProcessObserver で各処理ステップの VC を記録し、Sink 層(Writer インターフェース)経由で監督機関提出形式に書き出す構成を想定

framework

GAIA-X

相補

gaia-x.eu/ ↗

GAIA-X はヨーロッパ発のデータ主権・相互運用フレームワーク。 Trust の仕様を定義する側のレイヤーです。

provin は GAIA-X が示す方向性に整合する 運用基盤 として位置づけられます。 GAIA-X の trust spec を満たすデータ流通を、OSS で実装可能な substrate を提供します。

How to adapt

GAIA-X Self-Description を Schema Registry に登録し、Pipeline 入出力の credential として参照

standard

Open Data Spaces / Dataspace Protocol (IDSA)

相補

ISO 標準化作業中、Dataspace Protocol 仕様公開済み

internationaldataspaces.org/ ↗

International Data Spaces Association が策定する、組織間データ共有のための プロトコル仕様。Usage Control + Web 技術を基盤に、データスペース間の相互運用性を担保します。

provin は Dataspace Protocol が定めるネゴシエーションやアクセス制御に対し、 来歴証明レイヤー として補完的に機能します。「どう繋ぐか」(Dataspace Protocol) と 「何を保証して流すか」(provin) で責務が分かれます。

Eclipse Dataspace Components (EDC) との接続は provin の Source / Sink 拡張点の 契約に対して実装でき、edc-source / edc-sink adapter として別リポで提供予定です。

How to adapt

Dataspace Connector がポリシー交渉を担当し、その後段の provin Source 拡張点で合意済みデータに来歴 VC を付与。EDC 接続の edc-source / edc-sink adapter は別リポで提供予定

framework

ウラノス・エコシステム / ODS-RAM

相補

ODS-RAM V2 公開 2026-04-01、IPA 技術標準仕様 2026 年度公開予定

www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/digital_architecture/ouranos.html ↗

経済産業省 + IPA 主導の、企業・業界・国境をまたぐ日本発データ連携基盤。 Open Data Spaces Reference Architecture Model (ODS-RAM) V2 が 2026 年 4 月に公開され、 産業界の実需に応える社会実装フェーズに入りました。

provin は ODS-RAM が示す参照アーキテクチャに整合する OSS 実装substrate として、 来歴証明レイヤーで国内データスペース取り組みに接続可能な設計です。

How to adapt

ODS-RAM の Connector レイヤーに provin Pipeline を配置し、来歴 VC をデータスペース間で持ち回り

standard

SCITT (IETF Working Group)

相補

datatracker.ietf.org/wg/scitt/about/ ↗

Supply Chain Integrity, Transparency, and Trust。Transparency Log ベースの来歴証明で、 主に組織内のサプライチェーン整合性を対象とする標準化作業。

provin は組織間で VC 署名チェーンを形成する補完層として、SCITT と相補的な関係にあります。 組織内 (SCITT) + 組織間 (provin) でカバレッジが揃います。

How to adapt

ProcessObserver の通知を tlog(組織内 transparency log)にアンカーし、SCITT Transparency Log への連携を想定

standard

W3C Verifiable Credentials Data Model

技術基盤

www.w3.org/TR/vc-data-model-2.0/ ↗

provin の来歴証明は W3C VC Data Model に準拠した形式で発行されます。 DID 解決と VC 検証は標準的な暗号プリミティブ (Ed25519 等) を使用し、 他の VC エコシステムと相互運用可能な設計です。

How to adapt

vc パッケージ(W3C VC Data Integrity 実装)が VC Data Model 準拠の credential を発行 — 標準ライブラリで検証可能

regulation

Digital Product Passport / ESPR

整合

EU Battery Regulation フル DPP 義務化 2027-02-18

commission.europa.eu/energy-climate-change-environment/standards-tools-and-labels/products-labelling-rules-and-requirements/ecodesign-sustainable-products-regulation_en ↗

製品単位で原材料・製造・流通の履歴を電子的に追跡可能にする規制群。 EU Battery Regulation を皮切りに、衣料・電子機器・建材へ拡大予定です。

provin の Pipeline Chain は「メーカー → 中間流通 → 最終流通」の各境界で 来歴を継承する構造を提供し、製品単位 DPP の基盤として機能します。

How to adapt

製品単位で Pipeline Chain を構築し、最終 Sink で DPP フォーマット (JSON-LD) に出力

regulation

DSCSA (Drug Supply Chain Security Act)

整合

完全電子相互運用性義務 実質発効済み (米国)

www.fda.gov/drugs/drug-supply-chain-integrity/drug-supply-chain-security-act-dscsa ↗

米国の医薬品サプライチェーン規制。製造者から薬局までの追跡可能性を要求。

provin は組織横断の追跡可能性を VC 署名チェーンとして実装するため、 製造業者・流通業者・調剤者間のデータ連携基盤として活用可能です。

How to adapt

EPCIS イベントを Source プロセス(別リポの取り込み adapter を想定)で取り込み、組織境界ごとに VC 署名して custody chain を暗号的に追跡

regulation

GDPR Article 30

整合

eur-lex.europa.eu/eli/reg/2016/679/oj ↗

処理活動の記録義務。EU AI Act と組み合わせることで、 AI 学習データの処理経路を「リアルタイム」で説明できる体制が要求されます。

provin のレジストリ + 署名チェーンは、その記録基盤として機能します。

How to adapt

ProcessObserver から処理活動レコードを生成し、Sink 層で Article 30 形式に出力する構成を想定

standard

OASIS Data Provenance Standards (DPS)

相補

DPS TC 2025-04 発足、Data Provenance Metadata v1.0 CSD01 公開レビュー 2026-06(仕様確定前)

www.oasis-open.org/tc-dps/ ↗

Data & Trust Alliance 発のデータ来歴メタデータ標準を、OASIS が de jure 標準へ 進める作業(Cisco / IBM / Intel / Microsoft / Red Hat がスポンサー)。データセットの 出所・権利・プライバシー等を記述する語彙を定義します。

DPS が「来歴として 何を記述するか」の語彙を、provin が「その記述を 誰が主張し、 どう帰属させるか」の搬送と署名を担う相補関係です。仕様は committee draft 段階です。 採用には provin 側の profile / context 拡張(subject スキーマの追加)が必要で、 語彙の確定を待って設計します。

How to adapt

(要 profile 拡張)DPS のメタデータ語彙を subject スキーマとして追加し、署名チェーンで搬送

standard

C2PA / Content Credentials

相補

Specification 2.4 公開、ISO/IEC JTC 1 で標準化作業中

c2pa.org/ ↗

メディアコンテンツ(画像・動画・音声)の来歴を、ファイル内埋め込みの署名付き manifest として運ぶ規格。Adobe / Google / Microsoft 等が推進し、ISO 標準化が進行中です。

C2PA は「アセット内部 の来歴」、provin は「組織間パイプライン の来歴」を担います。 C2PA 資産がパイプラインを流れる区間の連続性 — 誰が受け取り、何をして、何を渡したか — を provin が埋め、両者で点と線が揃います。

How to adapt

(要 profile 拡張)C2PA manifest 付きアセットを受ける Source profile を定義し、組織間区間の来歴を provin が接続

standard

SLSA / in-toto

相補

SLSA v1.0(OpenSSF)/ in-toto attestation(CNCF)

slsa.dev/ ↗

ソフトウェア・サプライチェーンの attestation 規格群。ビルドパイプラインの 「誰が・何から・どうビルドしたか」を署名付きで主張する点で、provin と同型の発想です。

責務はソフトウェア artifact(SLSA / in-toto)とデータ(provin)で分かれます。 両者を並べると、コード・モデル・データという AI システムの三系統すべての来歴が揃います。

How to adapt

ビルド来歴は SLSA / in-toto、データ来歴は provin — attestation を Observer 経由で相互参照

standard

W3C PROV

相補

PROV-DM / PROV-O W3C Recommendation (2013)

www.w3.org/TR/prov-overview/ ↗

来歴表現の古典的 W3C 標準。Entity / Activity / Agent の三要素で 来歴グラフを記述する語彙を定義し、学術・アーカイブ領域に実装が蓄積しています。

provin の署名チェーンは PROV モデルへ自然に写像できます。PROV ベースの ツールや研究資産との相互運用の接点であり、来歴表現の系譜上に provin を 位置づける参照点でもあります。

How to adapt

来歴チェーンを PROV 語彙(Entity / Activity / Agent)へ写像するエクスポータを Observer に実装

ecosystem

Catena-X

相補

自動車業界データスペースとして運用中(EDC ベース)

catena-x.net/ ↗

EU 自動車業界のデータスペース。EDC 上で稼働する実運用エコシステムで、 ウラノス / ODS-RAM(日本)の EU 側対応物にあたります。

部品トレーサビリティや CO2 実績など、業界横断で受け渡されるデータに対し、 provin は EDC 接続の後段で来歴証明レイヤーとして機能します。 Digital Product Passport の要求とも接続する位置です。

How to adapt

Catena-X の EDC コネクタ後段に provin パイプラインを置き、部品・CO2 データの来歴を接続

regulation

EU Data Act

整合

2025-09-12 適用開始

eur-lex.europa.eu/eli/reg/2023/2854/oj ↗

IoT 製品データ等へのアクセス・共有義務を課す EU 規則。データの共有が 「善意」ではなく「義務」になる転換点です。

共有が義務になるほど、「渡したデータの来歴」と「渡した事実の改竄不能な記録」の 価値が上がります。provin は署名付き来歴と受領証跡を提供することで履行記録に 寄与します — 法的履行の証明そのものを主張するものではありません。

How to adapt

データ共有義務の履行記録を provin の署名チェーンで検証可能化

Code samples は順次追加予定です。